2021年度 賃貸契約者動向調査(首都圏) オンライン内見実施者が3割近くに増加 魅力を感じるコンセプト1位は「防災賃貸住宅」
株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘)の住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンター(センター長:池本 洋一)は、人々の自分らしい人生を応援するために「住まいの価値」を提言・実証する研究を進めております。この度、2021年度(2021年4月~2022年3月)に賃貸住宅へ入居した方の動向調査を実施いたしました。首都圏における賃貸契約者の動向を分析し、主な結果をまとめましたのでご報告いたします。
調査トピックス
1.平均見学物件数の減少は底を打ち、2017年度調査と同水準の2.9件
- 近年、減少傾向にあった平均見学物件数は、 19年度と20年度の2.7件を0.2件上回った
2.オンライン内見は計27.5%(※)と、前回調査から7.8ポイント増加
- 内訳は「オンライン内見のみ実施者」が20.6%、「オンライン内見・対面での内見併用者」が6.8%、
特に増加したのは「オンライン内見のみ実施者」で、前回調査より+7.1ポイント。
3.見学スタイル別の内見数は、「オンライン内見・対面での内見併用者」で平均4.4件
- 「オンライン内見・対面での内見併用者」の4割が「4~5件」、約2割が「6件以上」見学していた。
一方、「オンライン内見のみ実施者」の4割超が「1件」の見学だった。
4.設備満足度は「宅配ボックス」「非接触キー」「遮音性能の高い窓」の順位がアップ
- 「24時間出せるゴミ置き場」が6年連続1位。「宅配ボックス」「非接触キー」「遮音性能の高い窓」は、
前回から満足度の順位が5ランク以上アップした。
5.魅力を感じるコンセプト賃貸住宅1位は、「防災賃貸住宅」
- 1位は「防災賃貸住宅」(36.3%)、2位は「デザイナーズ賃貸住宅」(29.0%)。
3位の「子育て世帯向け」(22.4%)は、ファミリー世帯の過半数が支持。
SUUMO副編集長 兼 SUUMOリサーチセンター研究員の解説
オンライン内見・オンライン契約が、着実に増加していく兆し
本調査では、前回調査からオンライン内見をする人が7.8ポイント増加し、オンライン上で完結する契約を利用した人も3.9ポイント増加しました。22年5月に電子契約が解禁されたことを考えると、次回以降も引き続きオンライン内見・オンライン契約実施者が拡大し、いずれ定着していくのではないでしょうか。
一方、オンライン内見だけでは、部屋の広さや開放感、設備や仕様の質感などがつかみづらいのも事実です。高性能なカメラによる丁寧な説明や、家具入りのお部屋を体感できるVRなど、オンライン内見時の工夫があるお部屋なら、入居後のイメージがつきやすいかもしれません。
コンセプト賃貸住宅のニーズにおいて「防災賃貸住宅」が1位に
魅力を感じる賃貸住宅のコンセプトについてアンケートを行ったところ、従来人気の高い「デザイナーズ賃貸住宅」や「ペットオーナー向け」を抑えて、「防災賃貸住宅」が1位でした。賃貸契約者の3人に1人以上が、防災備蓄倉庫や蓄電池などが整備された災害対応力のある賃貸住宅を魅力的に感じています。一方、賃貸住宅市場では選択肢がまだ少なく、災害発生時は入居者の自助に頼るほかない状況です。後付け可能な備蓄の設置、入居者への防災グッズや災害時のマニュアル配布など、既存の賃貸住宅でもできることがあります。今後、「防災賃貸住宅」が少しずつでも増えていくことを期待しています。
SUUMO副編集長
SUUMOリサーチセンター研究員
江原 亜弥美
調査概要
- 調査目的
2021年度(2021年4月1⽇〜2022年3月31日入居)に賃貸物件を契約した人の行動実態やニーズを把握すること - 調査対象
【スクリーニング調査】
性・年代:18歳以上のマクロミルモニタの男女 業種排除:調査業、広告代理業
地域:北海道/東北/北陸/首都圏/東海/関西/中国/九州※一部地域除く
【本調査】
下記条件を満たすマクロミルモニタの男女個人
1. 現在の居住形態が「賃貸」である 2.左記の「賃貸」住宅への入居時期が2021年4月1日~2022年3月31日である 3.左記「賃貸」住宅の物件選びに関与した 4. 回答者本人が調査業・広告代理業ではない
※令和2年度国勢調査の人口と、スクリーニング調査で得られた2021年度の賃貸契約者出現率から、性・年代・未既婚別(下表の12セグメント)の賃貸契約者数を各エリアごとに推計した。この賃貸契約者数の推計値に構成比が一致するよう、性・年代・未既婚別の比率調整(ウェイトバック)を行った。
【本リリース分析対象】
調査は全国で行っているが、本リリースは首都圏の集計結果を掲載している。
※契約者数推計値に構成比が一致するよう性・年代・未既婚別の比率調整を行っている。エリア間の推計値比も比率調整に反映されるため、補正前後で合計数が異なる - 調査方法
インターネットによるアンケート調査 - 調査期間
スクリーニング調査:2022年6月2日(木)~2022年6月23日(木)
本調査:2022年6月10日(金)~2022年6月28日(火) - 有効回答数
スクリーニング調査:74,191サンプル(首都圏) 本調査:1,282サンプル(首都圏) - 調査実施機関
株式会社マクロミル - 調査結果をみる際の注意点
n%を表示する際に小数点第2位で四捨五入しているため、%の合計値が「全体合計(100%)」や「小計」と一致しない場合がある