そうだったのか!不動産広告。SUUMO掲載実践編

講師と2名の生徒による会話形式で構成しております。

<キャスト紹介>
k: 不動産鑑定士。不動産広告におけるスペシャリストで生徒の質問にも優しく答える
b: 博識な生徒。真面目で疑問はその場で解決しないと気が済まないタイプ
c: 思い込みが激しいが故にミスを犯しやすい生徒。無邪気に素朴な疑問を投げかける

第12回 恒例企画 オンシーズンを迎える前に2015


  • b:今回は、オンシーズン前の注意点について確認したいと思います。
  • c:この時期、恒例の企画ですね。では先生お願いします。

■物件情報の更新が一番のポイント

  • k:まずなんと言っても物件情報の更新を徹底していただくことです。
  • c:成約済物件の掲載は「おとり広告」として扱われてしまいますからね。
  • b:(1)元付会社・管理会社からの連絡を待つのではなく、積極的・能動的に確認する。(2)マンションなど集合住宅の場合は、部屋番号を指定して空室確認する。(3)社内の連絡を密にする。この3つがポイントでした。
  • c:契約ではなく申込みが入った時点で広告をSTOPする。これも大切でしたよね。でも忙しい時期に物件をきちんと更新するのは、大変ですよね。
  • k:確かに。しかし、物件更新を徹底するだけでトラブルの大部分を回避することができるはずです。忙しいときこそ、物件情報の更新に力を注いでいただきたいと思います。
  • b:物件情報の更新については、こちらの解説もご参照ください。

■広告に表示していい賃料なのか?

  • k:もうひとつ。オーナーや元付業者の意思に即した賃料で広告する、ということも大切です。
  • c:なんか、当たり前のことのように思えるんですけど。そういうトラブルがあるんですか?
  • k:たとえば、「賃料は5万円だが、指値(賃料交渉)が入った場合2千円までなら下げてもいい」という物件があったとします。これをオーナーや元付業者の了解を得ることなく賃料4.8万円で広告してはダメだ、ということです。
  • b:これも以前、オンシーズンの注意事項としてご紹介しました。こちらの記事の「広告に表示していい賃料なのか」です。
  • k:勝手に安い賃料で広告すると、取引する意思のない「おとり広告」として扱われてしまいます。
  • c:それは大変!最近もそういう事例は多いのでしょうか?
  • k:首都圏公取協の「公取協通信」の最新号でも注意喚起されていました。公取協通信第261号 「公正競争規約違反に対する措置等」のD社の事例を参照ください。

■元付業者との連携を密にする

  • c:オンシーズンのトラブルとしては、元付無断掲載も多かったと思うんですが、これについてはルールが変わったんですよね。
  • b:11月24日からルールが変更になり、会社間流通(BtoB)では、掲載事前確認は不要になりました。コピーされることを前提とした物件のみが掲載されているからです。
  • c:電話対応が軽減されますから、オンシーズンの負担が減りますよね。
  • k:その通りです。ただし、「手動コピー」で客付業者側が賃料等を更新する場合には、元付業者への確認が必要となります。
  • c:なるほど。
  • k:また、元付業者さんは「客付業者さんにコピー・掲載されても良い物件のみを“コピー可”に設定する」「成約したら速やかに会社間流通(BtoB)から物件を削除する」の2点が大切になります。
  • b:整理の意味で表にまとめてみましょう。
  • (説明図)会社間流通(BtoB)では、掲載事前確認は不要。11月24日からルールが変更。
  • c:便利な機能はどんどん追加されていきますが、元付業者さんとの連絡は密にとっていただきたいですよね。

■キャンペーン賃料の表示にも注意

  • k:オンシーズンはいわゆる「キャンペーン賃料」も多くなりますが、このトラブルも後を絶ちません。
  • c:例えば「賃料10万円の物件が当初3カ月だけ5万円になる」、というキャンペーンであれば、賃料欄には10万円を表示し、備考欄に「当初3カ月は5万円」と記載するんでしたよね。
  • b:「キャンペーン賃料である5万円はあくまで補足情報として表示する」、というのがポイントでした。
  • (説明図)キャンペーン賃料の表示について
  • c:「賃料5万円以下で物件検索したのに、備考欄を見たら3カ月だけだった」では、ユーザーもがっかりですよね。
  • k:表示方法が正しくても更新を怠ったためにトラブルになった例もあります。
  • c:と、いいますと?
  • k:12月でキャンペーンは終了していたのに、1月以降も表示を続けていたというものです。
  • b:広告を見て1月に契約しても、キャンペーン賃料が適用されないということですか。
  • k:その通りです。
  • c:うーん、それはきつい。
  • k:おそらくは、1月以降もキャンペーンが継続すると勘違いしたのでしょうが…。虚偽広告と言われても抗弁できないでしょう。
  • b:キャンペーン賃料のルールについても確認しておきましょう。こちらをご確認ください。
  • k:公取協も何度も注意喚起しています。あわせて参照してください。

■必要な一時金は全て書く

  • k:あとは一時金ですね。
  • c:賃貸借契約の条件となっている場合の鍵交換代や家賃保証会社との契約料も表示する必要があるんでしたよね。
  • b:入稿画面も確認しておきましょう。鍵交換代やルームクリーニング費用などは下図①のように初期費用欄に。保証会社への加入が必要な場合は②のように保証会社や料金などを入力します。
  • (説明図)一時金の入稿画面
  • k:成約済、キャンペーン賃料と並んで多いトラブルがこの一時金の表示もれです。十分ご注意いただきたいと思います。

■オンシーズンをトラブル0で

  • b:こうしてみると注意することがいろいろありますね。
  • c:物件数も増えていますからね。オンシーズンは皆さん本当に大変だと思います。
  • k:ひと昔前と比べて表示内容が豊富になった分、注意すべき事項も増えているのだと思います。正確でわかりやすい広告表示をし、メールなどの反響に丁寧に応える。そういう業者さんがユーザーから高い評価を受ける時代なんだと思います。
  • b:トラブルなくオンシーズンを乗り切り、高い業績を上げていただきたいですよね。

  • c:少し早いですが、今年もお世話になりました。来年も「そうだったのか!不動産広告」をよろしくお願いします・・・。あれ?先生、来年もあるんですよね。この企画。
  • k:・・・たぶん。
  • b:きっと続きますよ!それでは皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。

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