第7回 再確認!間取り表示ルール3つのポイント
間取り表示にもルールがある
不動産広告では、間取りを畳数で表示することも多いです。SUUMOにも以下のような表示があります。
よく見かける間取り表示ですが、いくつか注意すべき点があります。
(1)1畳の広さには基準がある。 (2)DK、LDKにも広さの目安がある。 (3)建築基準法上、居室の要件を満たさないものは、その旨明らかにする。 |
以上3点です。順番に確認していきましょう。
1畳の広さには基準がある
まず注意すべきは、畳数表示する場合の畳の大きさには基準がある、ということです。ご存じのように畳にはいろいろな大きさのものがあります。京間、中京間、江戸間、それぞれサイズが違います。団地間(公団サイズ)と呼ばれるさらに小さいものもあります。
そこで、表示規約では、畳1枚当たりの広さは、1.62m2以上という基準を設けています。和室で畳が10枚敷かれていても、壁芯面積で16.2m2以上なければ「和室10畳」という表示はできないのです。
実は、平成24年5月の表示規約の改正以前は、中古住宅であれば1.62m2に満たない小さな畳であっても1畳として表示することが認められていました。しかし、規約改正により、中古住宅も含めて1畳は1.62m2以上に統一されました。ご注意ください。
壁芯面積で計算する
ただし、ここでいう面積は壁芯面積で考えます。部屋の壁芯面積が16.2m2あれば、和室10畳という表示ができます。「1.62m2の畳を10枚敷いていなければ、和室10畳とは表示できない」という意味ではありません。
LDK,DKにも基準がある
続いてDK、LDKの広さについてです。DK、LDKについて表示規約では『居室数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状、機能を有するもの』と定義しています(表示規約第18条第1項第3号、第4号)。
「居室数に応じて」というのは、シングル向け物件とファミリー向け物件とでは、DK(LDK)として必要とされる広さ等が違ってくる、ということでしょう。DK、LDKの広さについては以下のような「目安」が示されています。
居室(寝室)数 | DK | LDK |
---|---|---|
1部屋 | 4.5畳 | 8畳 |
2部屋以上 | 6畳以上 | 10畳以上 |
たとえば2DKという以上、DK部分は6畳以上の広さが必要なのです。注意すべきは上の表はあくまで目安だ、ということです。広さが6畳以上あったとしても、形状によっては2DKと呼べないものもあります。
「居室」でないならばその旨を明らかにする
間取り表示の注意点の3つ目は、建築基準法の「居室」の要件を満たさない部分の表示についてです。ご存じのように、建築基準法上、「居室」と呼べるのは、採光および換気に関し一定の基準を満たすものだけです。この基準を満たさないものを居室であるかのように表示しては、ユーザーの誤解を招くことになります。そこで表示規約では『建築基準法第28条の規定に適合していないため、同法において居室と認められない納戸その他の部分については、その旨を「納戸」等と表示すること』と規定しています(施行規則第11条第17号)。
建築基準法上の居室の要件を満たさないものを「サービスルーム」「フリールーム」といった表示をしている広告をときおり見かけますが、これだけでは、一般のユーザーは通常の居室と誤認してしまうおそれがあります。規約で定められた通り「納戸」等と表示する必要があります。たとえば「サービスルーム(納戸)」といった表示になります。
また、間取り表示する場合、納戸の部分を「S」や「N」で表示することも多いと思います(Sはサービスルーム、Nは納戸の略です)。この場合にもSやNの後に「納戸」と補い、「2LDK+S(納戸)」と表示するのが正しい表示です。
一見、簡単に思える間取り表示にも、ルールがあります。ルールを守ったわかりやすい表示で、正しい情報をユーザーに伝えていくことが大切です。
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