そうだったのか!不動産広告。

第3回 意外と多い!?一時金トラブルを回避するには?

規約改正で一時金の表示義務が明示された

5月の不動産公取協の定める表示規約の改正では、「家賃保証会社等と契約することを条件とするときは、その旨及びその額」が必要な表示事項(規則別表8、9)に追加されました※。フォレントインシュアなど、家賃保証会社を利用することが契約の条件となっているのであれば、その旨と必要な額を表示してください、ということです。実際の原稿では下図のように表記することになります。(原稿例1参照)

原稿例1)家賃保証会社を利用する場合の表記例
保証人代行:SUUMOでの表示

SUUMOの入稿画面では、「保証人代行」の欄を使います。契約にあたり、加入が条件である場合、つまり家賃保証会社を利用しなれければ契約できないのであれば、「必加入」にチェックし、保証会社名を選択。保証料を入力します(図-①(保証人代行欄)参照)。

保証人不要と表示してあったのに…

家賃保証会社を利用することにより、保証人が不要となる場合もあるでしょうが、広告表示にあたっては、注意が必要です。単に「保証人不要」と表示するだけでは、エンドユーザーが誤解する可能性があるからです。(原稿例2参照)

原稿例2)誤解を与える表記の一例
SUUMO物件詳細:部屋の特徴・設備

この原稿を見て、「保証人がいなくても借りられる物件だと思った」というクレームがありました。【保証人不要】と表示していますから、そう捉えられても不思議はありません。しかし広告した仲介業者の意思は違いました。「保証人をたてずに家賃保証会社を利用することもできる。その場合には保証人が不要となる、という意味だ」「保証人も立てられない、保証会社も利用しない、という人に物件を貸せるわけがないでしょう」というのが不動産会社の言い分です。
 でも、クレームを入れたエンドユーザーは、そう考えてはくれません。「保証会社利用可、というのは利用しなくてもいい、ということですよね?保証会社を利用した場合のみ保証人が不要となるのであれば、【保証会社利用必】と表示するべきではないですか?」と主張していました。
 確かに「保証人不要(保証会社利用の場合)」といった表示であれば、仲介業者の意図がきちんと伝わり、エンドユーザーにも誤解を与えずに済んだ一例だと思います。  

必要となる一時金は表示する

また、今回の改正で表示義務が明示されたのは「家賃保証会社」だけではありません。「当初の契約時からその期間満了までに必要な費用の名目と額を記載する」ことも明示されています。「別表」の注釈として追加されただけなので、見落としている人も多いかもしれませんが、重要な変更事項です。
 礼金、敷金、家賃保証会社の利用料に限らず、契約にあたって必要な一時金は表示しなければならないのです。過去には以下のようなトラブル事例があったようです。

1 ルームクリーニング費用が必要であったが、その旨記載されていなかった。
2 インターネット接続サービス費用への加入が義務付けられ、その費用が必要であったが記載されていなかった。
3 鍵紛失・水漏れ等の日常トラブルに対する24時間対応サービスへの加入が義務付けられ、費用が必要であったが記載されていなかった。

 

これら礼金、敷金以外の一時金は、SUUMOの入稿画面では、「ほか初期費用」の欄に必要な合計金額とその内訳についてを入力します(図-②(ほか初期費用欄)参照)。

図)SUUMO入稿・分析システム 物件登録画面
SUUMO入稿・分析システム:保証人代行・ほか初期費用入力欄

なお、表示が義務付けられているのは、入居者が必ず負担しなければならない費用だけです。希望する人からのみ徴収するのであれば、表示しなくても問題ありません。例えば、「鍵交換をするかしないかは入居者の自由です。もし鍵交換を希望するのであれば15,750円ご負担いただきます」という事であれば、鍵交換代についての表示は不要となります。

ユーザー視点にたったわかりやすい広告表示を

規約改正で、一時金の表示が明文化された背景には、一時金をめぐるトラブルが多いことがあると推測されます。我々業界の人間にとっては常識なことであっても、エンドユーザーも同様に考えるとは限りません。賃料や契約条件はもちろん、必要な一時金についても誤解のない、わかりやすい表示に努めることが、トラブルを回避し、御社の信頼向上へとつながるはずです。

【公取協HP】http://www.rftc.jp/index.html
※参照;賃貸物件の必要な表示事項(別表8、9)
http://www.rftc.jp/kiyak/bepyou/bepyou_8.html
http://www.rftc.jp/kiyak/bepyou/bepyou_9.html

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