第1回 キャンペーン賃料の表示にご注意を
同業者からクレームが…
SUUMOにご掲載頂いているA社の広告にクレームが入りました。エンドユーザーからではなく、同業の業者さんからです。A社の広告が公取協の定めた表示規約に違反するものであり、実際よりも安く見せる不当な広告だというのです。
広告では賃料が8万円となっていますが(上図)、これは当初3ヶ月間だけのものであり、4ヶ月目からは16万円になるというのです。指摘者からはこの物件の図面も送られてきました。
確かに、賃料は16万円となっています。ただし、賃料3ヶ月間半額キャンペーンとあります。
きちんと表示しているではないか!
A社としては、虚偽広告をした意図はありません。キャッチコメント(図1)に「賃料3ヶ月このお値段です!」と表示し、備考欄(図2)にも「3ヶ月間賃料半額キャンペーン。本来は倍になります」と明記しています。
「キャッチコメントや備考欄をみれば、4ヶ月以降は賃料が16万円になるのはわかるはずだ。これではいけないのか」というのがA社の社長の言い分です。
公取協の考えは
しかし、残念ながらA社の主張は認められません。ネット広告において、キャンペーン期間中の安い賃料を賃料欄に表示するのは、契約期間中ずっと賃料8万円であるかのように誤認させるので認められない、というのが公取協の考えです。
ユーザーが賃料8万円以下で検索した→条件のいい物件が出てきた→備考欄を見たら3ヶ月間だけだった、というのは不当表示に該当するというのです。
今回の事例で言えば、契約期間中の賃料は『16万円』になります。従って、賃料欄には16万円と表示し、備考欄に『当初3ヶ月間の賃料は8万円となります』と表示する必要があります。
公取協の研修会でも「キャンペーンの内容は、補足の情報として掲載するという意識が大切」と解説されています。A社のような表示をして、違約金課徴を受けた例もあります。
SUUMOの入稿は
SUUMOの入稿方法を確認しましょう。まず、賃料欄に通常賃料(値引き前の賃料)の16万円を入力します。もちろん管理費の0.8万円もきちんと入力します。
キャンペーン賃料である3ヶ月間8万円については、特徴項目・備考またはネット用キャッチの欄に入力します。
その際、A社の表示例のように「半額」「本来は倍」という表記ではなく、「3ヶ月間8万円」「4ヶ月目より16万円」と具体的な数字で賃料を表示した方が、誤解がないでしょう。
わかりやすい表示が信頼につながる
「賃料欄に16万円と表示してしまうと、キャンペーン賃料であることがわからないではないか」というご意見も頂きます。しかし、「備考欄に通常賃料を表示するだけでは誤認を排除することはできない」というのが公取協の見解です。
ユーザーの立場に立って考えても、8万円だと思っていたら契約期間の大部分は16万円だったというのでは失望するでしょう。
ユーザーの期待を裏切らないわかりやすい広告表示が、結局は業績アップにつながっていくはずです。
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