第17回 実家男子・実家女子は
一人暮らしをするのか?
実は先日誕生日を迎えました。最近はフェイスブックでの「おめでとうメッセージ」が進化していて、一定のおめでとう投稿数を超えるとフェイスブック側から花火が打ちあがる投稿がくる仕掛けがあるんですね。毎年増えるメッセージに、皆さまに支えられて今があるんだなと感謝の念を覚えます。
さて、新春1月号で私が思う賃貸業界における「2015年のキーワード」に「脱!実家暮らし」を挙げてみました。新たな賃貸需要を生み出さないことには空室率は徐々に悪化してしまう。これをなんとかできないものか?そんな思いから提唱したものです。
事の発端はマツコデラックスさんが出演する某番組での「独身30歳の娘が、出勤時間ギリギリまで寝ており、昼食のお弁当づくりも母親任せ。家にいる時は一日中寝ているので、掃除・洗濯・料理も全くしないことに怒っている」という50代男性からの投稿でした。
これに対しマツコデラックスさんが「30代女子は全員一人暮らしをしなさい。」「実家にいると料理ができない、洗濯できない、部屋は泥棒に入られたみたい(に汚い)、生活力のない女子になってしまう」と熱弁を振るっていたのです。これを聞いて、一人暮らしは寂しいから人恋しくなる。生活力・女子力も付く。少子化、晩婚化、非婚化に対しても「一人暮らしのススメ」のスジは悪くないなあと。
ということで実態を調査するべく、アンケートを実施しました!!
1位は実家から通えるから。大学選びでもお金のかかる一人暮らしを避け、実家通いできる大学を選ぶ傾向があります。2位、3位はお金を貯めたい、お金がない。これは女子のポイントが高い。6位の家事炊事を家族がやってくれるからも女子のほうが高いことは、先のマツコさんの話を裏付けています。地域別にみると愛知県は特徴的。実家が広く、勤務先にも実家から通う人がとても多い。周囲に聞いてみても「納得感ある」そうです。
では実家暮らしに対して何の懸念もないのか、このまま実家にいるのかというと、そうではありません。実家暮らしで困ることをきくと「親・家族に干渉される」「異性・友人を呼びづらい」など、家族から何らかの干渉があったり、やりづらさがあるといった回答が多いのです。首都圏では「自立していないとみられる」という回答も多い傾向に。 また面白いのは下表(図2)。
自分は一人暮らし未経験でありながらも、結婚相手の要件を聞くと2割弱が絶対に一人暮らしの経験があるほうがよいと答え、“できれば”も合わせると9割を超えています。
どこかで一人暮らしの経験をしておいたほうがよいという心の声はありそうです。では実際にどの程度の実家層が一人暮らしをする可能性があるのでしょうか?
“いつかは”という可能性まで入れると約5割ですが、リアルな一人暮らし検討層は“2、3年以内まで”の約2割でしょう。でも実家層の2割も一人暮らしをする可能性があるなら、それは新しい需要といってもよいのではないでしょうか?ただ不安になるのが、実家層に一人暮らしをするお金があるのか?という問題。これについてはこんな結果が出ています。
家に入れているお金は平均で毎月3.9万円。月々の貯金はなんと4.9万円。現実的に一人暮らしも不可能ではない人たちが一定数いることがうかがえます。また、「一人暮らしをするつもりがある」と答えた方達に、ズバリ一人暮らしをするときの家賃(予算)を聞くと、平均で6.1万円。愛知5.4万、福岡は5.3万と下がりますが、十分に市場で応えられる金額です。想定より多かったですね。
では最後に、この脱実家を促進するためには、どんな「特典」が響くのかを調べてみました。
一番多かったのは敷金・礼金ゼロ。3~5位の家賃の3か月無料、家具家電つき、引っ越し費用の負担などをみても、初期コストをとにかく抑えたいという傾向。これはある意味で想定通りでしたが、意外だったのはセキュリティが万全という答えが2位につけていること。特に女性では75%に達しています。地域別では関西がセキュリティニーズ高めでした。とある賃貸建設会社のCMで、女性用の賃貸でセキュリティを徹底的にうたっているものがありますが、あのCMはとても理に適っていることがわかりました。
いかがでしょうか?これらの調査データをもとにして、これからどんどんメディア発信していきたいと思います。ぜひ業界の皆様とも手を取り合って進めていきたいと思っております。
リクルートではじゃらんが「雪マジ」と称して19歳の若者のみ、提携したスキー場のリフト代がタダ!というキャンペーンを張ってスキー人口の減少に歯止めをかける取り組みをしています。
これを真似て、たとえば一人暮らし未経験のジャスト30歳だけに脱実家の特典をつけるキャンペーンができたら面白いですよね。
まだゆる~い企画ですが、ご興味ある方いらしたら、ぜひ一緒に考えさせてくださいっ!
※データ出典/「実家暮らしに関する調査」株式会社リクルート住まいカンパニー調べ(2015.06)
調査対象者:未婚かつ有職で実家に住んでいる20代、30代の男女
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