池本編集長の賃貸ゼミな~る

第14回 2015年『住みたい街ランキング』発表!
~目玉は「目黒」「武蔵小杉」「海老名」~

まさに引っ越しシーズン真っ只中のこの時期、テレビでも「住みたい街はどこか」を代表とする街ネタ企画が増えてきましたね。また一方では、「消滅可能性都市」こんな話題も昨年末に出ました。2040年までに20~39歳の女性人口が半減する自治体を「消滅可能性都市」と見なす日本創生会議の報告、通称「増田レポート」は、各自治体が真剣に人口減少時代をどう生き抜くか考えるきっかけとなりました。まち・ひと・しごと創生本部からも基本戦略が発表され、出生率の低い首都圏の人口一極集中を課題視し、出生率の高い地方部への人の動きを創る、そのための地方の産業活性化策を行う方向性が明らかになりました。

そんな中、先日弊社は「住みたい街ランキング2015」を発表させていただきました。既にマスコミからもかなりの問い合わせをいただいています。
 今回は、このランキングから今年の注目ポイントを紹介していきたいと思います。

まずは関東から見ていきましょう。

【関東】住みたい街(駅)ランキング<総合>

◆住みたい街(駅)ランキング 上位30位(関東全体N=3000/3つの限定回答)

総合順位 駅名(代表的な沿線名※) 総合順位 駅名(代表的な沿線名※)
2015年 2014年 2015年 2014年
1位 1位 吉祥寺(JR中央線) 16位 23位 大宮(JR京浜東北線)
2位 2位 恵比寿(JR山手線) 17位 15位 東京(JR山手線)
3位 5位 横浜(JR京浜東北線) 18位 24位 三軒茶屋(東急田園都市線)
4位 11位 目黒(JR山手線) 19位 19位 荻窪(JR中央線)
5位 9位 武蔵小杉(東急東横線) 20位 22位 三鷹(JR中央線)
6位 8位 品川(JR山手線) 21位 36位 浦和(JR京浜東北線)
7位 4位 中目黒(東急東横線) 22位 27位 豊洲(東京メトロ有楽町線)
8位 10位 表参道(東京メトロ銀座線) 25位 たまプラーザ(東急田園都市線)
9位 3位 池袋(JR山手線) 24位 31位 青山一丁目(東京メトロ銀座線)
10位 7位 新宿(JR山手線) 25位 42位 川崎(JR京浜東北線)
16位 鎌倉(JR横須賀線) 26位 65位 有楽町(JR山手線)
12位 6位 自由が丘(東急東横線) 45位 立川(JR中央線)
13位 14位 渋谷(JR山手線) 28位 21位 北千住(JR常磐線)
14位 12位 中野(JR中央線) 29位 45位 代々木上原(東京メトロ千代田線)
15位 13位 二子玉川(東急田園都市線) 30位 18位 銀座(東京メトロ銀座線)

※複数路線が乗り入れている駅の場合は代表的な沿線名を()内に表示

総合ランキング1位はまたもや『吉祥寺』。昨年も南北自由通路が開通し、「キラリナ京王吉祥寺」、都内最大規模の「ユニクロ」オープンと、新しい話題に事欠きませんでした。

では今年の注目はどこか?ひとつは15位→12位→9位→5位と着実に順位を上げた『武蔵小杉』です。2014年に「ららテラス」、「グランツリー」など大規模商業施設が相次いで開業したことに加え、タワーマンションを中心に再開発の勢いが止まりません。
 もうひとつは昨年の11位から4位にランクアップした『目黒』です。2000年に南北線・三田線と東急目黒線が直通運転を開始し利便性が向上した交通基盤の上に、駅前の大規模再開発プロジェクトが始動し今後の発展が期待されています。芸能人も多く、飲食店や雑貨店などが多くのメディアで取り上げられていることに加え、「メイカーズベース」や「HUB・TOKYO」など起業家を惹きつけるスペースが目黒周辺に登場。羽田空港国際化やリニア新幹線で品川に注目が集まる中、人気の街も「渋谷→恵比寿→目黒」と南下傾向があるように見受けられます。

また『大宮』と『浦和』が昨年よりも順位を上げています。これは3月14日のダイヤ改正で上野東京ラインが開業し、高崎線・宇都宮線が東海道線とつながったことを予測してのランク上昇と考えられます。東京・新橋・品川まで行く際に上野での乗り換えが不要になって確かに便利になっています。

さて今年からいくつかサブ的な指標をとってみました。たとえば「今後地価が上がりそうと思う街ランキング」。

【関東】住みたい街(駅)ランキング

◆「今後注目が集まり、地価が値上がりしそう」と思う駅ランキング 上位10位
(関東全体N=3000/3つの限定回答)

順位 駅名(代表的な沿線名※) 総合順位/全体
(得点順)
1位 武蔵小杉(東急東横線) 5位
2位 豊洲(東京メトロ有楽町線) 22位
3位 品川(JR山手線) 6位
4位 田町(JR山手線) 66位
5位 海老名(小田急小田原線) 60位
6位 橋本(JR横浜線) 108位
7位 池袋(JR山手線) 9位
8位 北千住(JR常磐線) 28位
9位 東京(JR山手線) 17位
10位 月島(東京メトロ有楽町線) 62位

こちらでは『武蔵小杉』が『豊洲』を抑えて1位になりましたが、面白かったのは5位の『海老名』、6位の『橋本』です。『海老名』は、駅直結のららぽーとがこの秋に開業予定。かつ、下図のようにJRと私鉄駅の間に連絡ブリッジもできます。『橋本』はリニア新幹線の神奈川県の駅が橋本付近と発表されたことの影響と思われます。
(仮称)ららぽーと海老名

※複数路線が乗り入れている駅の場合は代表的な沿線名を()内に表示

「今払える予算内で住みたいと思う街ランキング」の1位も『武蔵小杉』でした。「えっ?マンションの坪単価が300万を超えてきているのに?」確かに業界からの視点でみるとそう思いますが、印象はまだ安いのでしょう。実際の賃貸相場でみればまだ割安感はありますね。

交通利便性がいい割に物件価格や家賃が割安で暮らしやすいという観点の「実は穴場な街と思うランキング」。これは予想通り!?面白かったですね。1位に『北千住』、2位に『赤羽』、4位には『中野』、5位に『小竹向原』。利便性はいいのに街のブランドイメージはそう高くない。でも最近は再開発や店の新陳代謝などで街のイメージが変わりつつある。そんな街がランクインしています。

さて次に、関西のランキングも見てみましょう。

【関西】住みたい街(駅)ランキング<総合>

◆住みたい街(駅)ランキング 上位30位(関西全体N=2100/3つの限定回答)

総合順位 駅名(代表的な沿線名※) 総合順位 駅名(代表的な沿線名※)
2015年 2014年 2015年 2014年
1位 1位 西宮北口(阪急神戸線) 19位 20位 本町(地下鉄御堂筋線)
2位 2位 梅田(地下鉄御堂筋線) 17位 桃山台(北大阪急行)
3位 5位 千里中央(北大阪急行) 21位 22位 草津(JR東海道本線)
4位 8位 神戸三宮(阪急神戸線) 22位 41位 桂(阪急京都線)
5位 4位 岡本(阪急神戸線) 46位 北山(地下鉄烏丸線)
6位 7位 夙川(阪急神戸線) 24位 31位 神戸(JR東海道本線)
7位 13位 宝塚(阪急宝塚線) 25位 40位 箕面(阪急箕面線)
8位 3位 江坂(地下鉄御堂筋線) 37位 烏丸(阪急京都線)
9位 9位 御影(阪急神戸線) 27位 15位 六甲(阪急神戸線)
10位 6位 なんば(地下鉄御堂筋線) 28位 27位 河原町(阪急京都線)
11位 10位 天王寺(地下鉄御堂筋線) 42位 樟葉(京阪本線)
11位 芦屋川(阪急神戸線) 30位 28位 西宮(JR東海道本線)
13位 12位 高槻市(阪急京都線) 51位 芦屋(JR東海道本線)
14位 21位 豊中(阪急宝塚線) 42位 枚方市(京阪本線)
15位 36位 茨木市(阪急京都線) 47位 学園前(近鉄奈良線)
16位 16位 緑地公園(北大阪急行) 26位 京都(JR東海道本線)
17位 17位 伊丹(阪急伊丹線) 28位 姫路(JR山陽本線)
18位 14位 心斎橋(地下鉄御堂筋線)      

※複数路線が乗り入れている駅の場合は代表的な沿線名を()内に表示

総合1位は昨年に引き続き『西宮北口』でした。『梅田』と『三宮』の中間地点で利便性は抜群、人気テナントを網羅した「西宮ガーデンズ」や文化芸術施設に恵まれていることも要因でしょう。
 また、高層マンションの建設が進み、北大阪急行の延伸計画や近接エリアでの大型アミューズメント&商業施設の開業をこの秋に控えており、さらなる利便性向上が図られる『千里中央』が5位から3位にアップしました。

【関西】住みたい街(駅)ランキング

◆「今後注目が集まり、地価が値上がりしそう」と思う駅ランキング 上位10位
(関西全体N=2100/3つの限定回答)

順位 駅名(代表的な沿線名※) 総合順位/全体
(得点順)
1位 梅田(地下鉄御堂筋線) 2位
2位 西宮北口(阪急神戸線) 1位
3位 天王寺(地下鉄御堂筋線) 11位
4位 千里中央(北大阪急行) 3位
5位 草津(JR東海道本線) 21位
6位 洛西口(阪急京都線) 130位
7位 万博記念公園(大阪モノレール) 52位
8位 樟葉(京阪本線) 28位
9位 茨木(JR東海道本線) 104位
10位 尼崎(JR東海道本線) 43位
桂川(JR東海道本線) 346位
南草津(JR東海道本線) 83位

「今後地価が上がりそうと思う街ランキング」。こちらは再開発が続く『梅田』が『西宮北口』を抑えて1位に。「あべのハルカス」に近い『天王寺』が3位に続きました。意外なところでは5位の『草津』。新快速が停まり『京都』へも速い利便性に加え、10位にランクインした隣駅『南草津』に大学が移転し街が活気立ち、草津駅周辺も再開発でマンションが建ち並び、商業も集積。今はやりのコンパクトシティのような様相になっています。7位の『万博記念公園』はエンターテインメントとショッピング機能を備えた話題たっぷりの大型複合施設が秋開業を控え、イメージが大きく変わると思われます。

※複数路線が乗り入れている駅の場合は代表的な沿線名を()内に表示

「今払える予算内で住みたいと思う街ランキング」は1位が『西宮北口』。コスパ面から見ても盤石でした。2位は『江坂』。ビジネス街でもありますが、「東急ハンズ」のようなオシャレ感ある商業施設を有し、少し歩くと良好な住宅地もある街ですね。大阪のみならず新大阪への利便性が良い割には安いという評価だと思います。

「穴場だと思う街ランキング」はなかなかインパクトがありました。1位はなんと『尼崎』。弊社の営業部長によると、「イメージは確かに『うーん』と思うけど、梅田、新大阪、三宮、伊丹、関空と関西の玄関口に対し電車やリムジンでマルチアクセスできる、工場も住宅や商業に変わってきてるし可能性はあるで」と。2位の『塚口』、4位の『十三』なども穴場感がありますね。

今年のランキング結果はいかがだったでしょうか?「収入は伸びなさそう」「コミュニティの重要性を再認識」こういうご時勢からすると「穴場な街」「予算内の街」が今後の住みたい街のランキングを上げていくような予感がしています。さて皆様はどうお感じになったでしょうか?

※「住みたい街ランキング2015」はこちらからご覧いただけます
関東版 http://www.recruit-sumai.co.jp/press/150302_sumitaimachi2015kanto.pdf
関西版 http://www.recruit-sumai.co.jp/press/150317_sumitaimachi2015kansai.pdf

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