池本編集長の賃貸ゼミな~る

第7回 2013年 空室対策トレンドを振り返る

急激に冷え込んできましたが体調はいかがでしょうか?周囲にはマスクをする方が増えてきましたね。かくいう私も風邪を引いてしまい本原稿も遅延気味(言い訳)。さて皆様の管理物件は風邪を引かれていませんか?来年の商戦期を前に、風邪気味物件をどうやって健康な状態にするか?そんなわけで今回は「2013年の空室対策トレンド」を振り返ってみたいと思います。

振り返ってみると、今年のトレンドにはいくつかキーワードがありました。
まずは「カスタマイズ」。去年の全国賃貸住宅新聞でのヒットワードでも第2位でしたが、今年はさらに進展。SUUMOの「賃貸カスタマイズ」ページもこの1年で参加会社が2倍になりました。

SUUMO「賃貸カスタマイズ」

※無料企画です。もし実施されていらしたら弊社担当までお問い合わせください。
http://suumo.jp/edit/customize/

この1年でカスタマイズは"壁紙セレクト+照明セレクト+壁面に棚板"という「型」ができました。またこのセレクトカスタマイズの思想は新築物件にも波及。名古屋のある会社では月々1500円の家賃アップで通常のコンロをIHに変えられたり、月々500円アップで洗面化粧台をワイド化してくれる「チョイス」という仕組みを導入。築年数のたった物件では空室対策費としてオーナー負担が多いですが、新築や築浅などでは入居者に若干の家賃追加を提案するというのも一つのアイディアですね。
http://www.works141.co.jp/customize.html

また入居者に「自由にいじってもいいですよ」という提案は実は日本人の多くは「ひいてしまう」というのが現状。これを受けて予めカスタマイズパーツ集を用意し、相談機能も用意するという「おもてなしカスタマイズ」が登場しました。
http://suumo.jp/journal/2013/09/05/51319/

もう1つ進化したのは「家具付き賃貸」。家具家電付きは大手も実施するメジャー施策ですが、家具が古い、センスに合わないという課題も一部ありました。そこで最近は家具家電は常に新品という物件が増えてきました。家賃は上乗せされますが従来ほどの割増額ではない。ただ1年で退去されると上乗せ家賃での回収ができないので早期住み替え時にはペナルティが発生するという「携帯の2年割」のような仕組みも。さらには下記リンクのように家具を自分の好きなものから選べて家賃が月々1000円アップ~、4年住んだらその家具は100円で買い取れるというサービスまで登場しました。
http://suumo.jp/journal/2013/11/27/55779/

そしてもう1つが「他社コラボ」。
西日本URとMUJIによるコラボーレションが今年の年明けに登場。SUUMOジャーナルでもかなりの「いいね!」がつきました。
http://suumo.jp/journal/2013/01/24/37028/

「他社コラボ」MUJI×UR

ブランドネームのある企業とのコラボレーションはその先端企業のノウハウを得られるだけでなくプロモーション効果も大きく魅力的です。ヴィレッジバンガード?ニッショーのコラボも話題を呼びました。

「他社コラボ」ヴィレッジバンガード?ニッショー

我々メディアも「いいね!」がつきやすいのでついついとり上げてしまうんですよね。
ビッグネームと組むのは容易ではありませんがそれだけの効能はありそうです。
http://suumo.jp/journal/2013/08/02/49575/

最後にご紹介するのは2室の1室化&細切れの部屋の「広めワンルーム化」。全国的に厳しいのは狭めのワンルーム市場。実は最近スタートしたばかりのサービス付き高齢者住宅でも地域差はありますが18㎡ワンルームの入居率が上がらないという傾向をよく聞きます。これは正確には需給バランス。少しゆとりのあるワンルームが昨今のミドルシングル(お金的にも年齢的にも)のニーズが増えているにも関わらず短期収益重視で市場は狭いワンルームが溢れている。その課題を抜本的に解決するために狭い2室を1室化したり2DKを広めのワンルーム、あるいは3DKを広めの1LDKに変更するなどの間取り変更の成功例を目にするようになりました。「仕切り」=「天井までの壁」という概念はやや古い考えかもしれません。最近では腰高くらいの収納家具で仕切ったり、床の素材を変える、ちょっとした段差をあえて設けるなどの「仕切り方」が人気です。

設備の入れ替えでは空室率を抜本的に改善するのは難しいという地域・物件群も出てきています。デザインや間取りの変更は、地域を飛び越えての集客ができる強さがある一方で、センスが合わないと逆に嫌われるリスクがあります。オーナー様のご意向を優先したばかりに入居者ニーズと合わずに残念な結果となる物件もあります。空室対策の本質はオーナーを向くのではなく入居者を向くこと。その入居者ニーズにつきましては引き続きSUUMOでもトレンド調査を行い皆様に発信し続けたいと思います。

少し早いですが今年もお世話になりました。どうぞよいお年を。そしてよい空室対策を。そしてよい新年、繁忙期をお迎えください。

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