第2回 人気の設備ランキング最新版!
アタリマエの設備、差別化できる設備とは?
10月~11月は1月から始まるオンシーズンを前にオーナー様と対策を練る時期です。
家賃の適正化もありますが、業界全体が家賃デフレスパイラルに陥りつつある中、賃貸マーケットの全体縮小を食い止めるには、適切な設備への投資が必要です。
今回はその提案に役立てていただくべく、最新の人気設備について探っていきたいと思います。
2012年4月に調査し、7月に発表した弊社の「2011年度賃貸契約者動向調査」から考察したいと思います。まずは「今まで使用経験があり次に転居する際もほしい設備のランキング」(図1)から。これはいわば「アタリマエ設備」です。
図1)今まで使用経験があり次に転居する際もほしい設備のランキング1位のエアコンをはじめ、ベスト5は昨年とほぼ不動ですが、順位を上げたのは独立洗面台。世界の男性用化粧品マーケットの2割の需要があると言われる韓国ほどではありませんが、美容に関心のある若い男子が増加している表れと推測されます。一方で順位を下げたのは2口以上のコンロ。こちらは調理済み食材が増加する中でのキッチンの必要度が薄まっているのかもしれません。ただし二人暮らし、ファミリーでは90%近い支持率を集めており、あくまでもシングルでの需要の減退とみた方がよさそうです。
次に「使用経験はないが次に引っ越すときにほしい設備」(図2)こちらは現賃貸の設置率は低いがニーズは高いというものですから、「差別化になる設備」です。
図2)使用経験はないが次に引っ越すときに欲しい設備1位は太陽光発電などの省エネ設備。この結果はある意味驚きでした。耐震関連は以前から重視項目の常連でしたが、省エネは快適性を左右する重要なポイントの割に一般には評価されてこなかったからです。今年できた全量買取制度により10kw以上の大容量の発電に対しても42円/kwでの買い取りを10年間保証されますので、新規建設時には大いに検討の余地があると考えられます。2位の宅配ボックスは、楽天、Amazonなどネットでの買い物が常態化している今の20-30代には必須の共用設備といえるでしょう。新築分譲マンションでは10年ほど前からアタリマエ設備になっていますね。その意味では床暖房も同じく分譲マンションへのあこがれアイテムの代表格です。埃を巻き上げず、体にも優しい同設備は設置コストはかかりますが、ファミリー世帯、高齢世帯には大きなアドバンテージになるアイテムと考えます。
男女別で異なる人気設備
さて男女で分けてみるとどうでしょう。入居物件決定の際の項目別必要度を社会人の男女別で差異が大きいものをベスト10で並べてみました(図3)。
図3)入居物件決定の際の項目別必要度/社会人男女差分ランキングベスト10まず面白いのは男性は5位以下がマイナスになっていること。差分ランクで5位なのに全体より低いということは、いかに男性は女性に比べて設備に対する関心が薄いかということです。そんな中でも男性に人気が高いのはネットと省エネ関連です。SUUMOの別の調査(テイストトレンド調査)ではランニングコストへの重視度が男性は高い傾向があり、コスト削減意識から来ている人気設備ともいえそうです。
次に女性ならではの人気設備を見ると、1,2,3,6位に防犯系が上がっています。そして4位の浴室乾燥機、5位の2階以上も洗濯物を外に干したくない、見られたくないという意識からのものとも考えられるので1~6位まで広義には「防犯設備」といえるでしょう。
では最後に都県別の差異を見てみましょう(図4)。
東京都は2,4,6位に防犯系が来ています。また浴室乾燥機が1位。外に物を干したくない地域特性がありそうです。また5位の宅配ボックスも併せて考えると、時間合理性を追求する意識が強いようにも見えます。また千葉、埼玉では駐車場、一戸建て、ペット可など郊外型ライフスタイルにあった設備が相対的に高まります。また追い炊き機能が高いのも特徴です。神奈川はその中間という印象。ただ収納へのこだわりが他県にはない特徴です。
いかがだったでしょうか? 同じ設備でも地域や男女によって差異があるように物件の状況によっても、その提案は変わってきます。今回の分析はあくまでも全体傾向にすぎません。本当はもっと地域ごとにニーズや設置状況は異なっているはずです。それを調べるには弊社が6月にリリースした「オーナーレポート」が有用かと思います。周辺物件で何がアタリマエ設備で何が差別化設備なのか?その地域でこの設備のユーザーニーズはあるのかないのか?これが数分で一覧化され出力できます。ご興味ありましたら、下記URLをクリックしてみてください。
http://business.suumo.jp/chintai/lineup/ownerreport.html最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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