第8回 元付無断掲載を防ぐには
元付無断掲載のクレームが増えている
"元付無断掲載"は、昔からある問題ですが、最近その件数が増えてきています。ネット広告が一般的になったことがその理由の一つです。
ネット広告の普及により、元付業者(管理会社)が自ら広告するということも一般的になってきました。そのため「他社が客付するのはよいが、ネット広告は困る」という物件も増えています。客付業者としては、単に客付の許可を得るだけでなく、媒体名を明示して広告掲載の許可を得る必要があります。
公取協も注意喚起している
元付無断掲載については、公取協も注意喚起しています。首都圏不動産公取協のHPには『他社取扱い物件の広告掲載許可の徹底(無断掲載の防止)』という文書が掲載されています(http://www.sfkoutori.or.jp/portal_bukai/info/jirei/2503.html )。
またSUUMOの参画基準でも、元付業者の掲載承諾を受けることを規定しています。
元付業者の中には「無断で広告掲載した業者から申し込みが入っても物件を紹介しない」という厳しい姿勢で臨む業者もいます。おとり広告にならないためにも広告掲載の許可が必要なのです。
トラブル例
ではなぜ、元付業者の了承が得られていない物件を広告してしまうのでしょう。これにはいくつか原因があるようです。
<原因1>そもそも確認していない
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→長い付き合いのある元付業者さんだから・・・、と安易に考えずに物件ごとにきちんと掲載承諾をとることが大切です。
<原因2>ミス
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→広告掲載はできないことは知っていたのだが、誤ってSUUMOに掲載してしまったというものです。一括入稿ができるシステムを利用している場合には、誤入力のないよう特に注意が必要です。
<原因3>勘違い
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→客付が認められているからと言って、広告掲載が認められているとは限りません。また元付業者も、広告不可の物件であればその旨はっきりと伝えることがトラブル防止につながります。
<原因4>途中から広告掲載不可になった
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→当初はネット広告が認められていても、途中から広告不可になることもあります。毎週の物件クリーニング(成約済か否かの確認)の際、広告掲載の可否も合わせて確認されることをお勧めします。
SUUMOの入稿にあたっては
まずは取引態様の入力です。取引態様の明示は、表示規約だけでなく宅建業法でも義務付けられています。SUUMOでは、取引態様については、「貸主」「代理」「仲介元付」「仲介先物」から選択して頂きます(エンドユーザーが見る画面には「仲介元付」「仲介先物」とも、「仲介」と表示されます)。
※SUUMO入稿画面例(取引態様入力)
また入稿画面には、元付確認を行った物件の「元付業者名」「担当者名」「電話番号」「確認日」を記入する欄もあります。これらをきちんと入力していくことが、確実な掲載確認につながります。
※SUUMO入稿画面例(元付確認欄)
写真、間取り図を使用する場合には許可を取る
先物物件を掲載する場合には、もう一つ注意すべき点があります。広告掲載可能だからと言って、間取り図や写真を使ってよいとは限らない、ということです。元付業者(管理会社)のHPにある写真等を使用する場合には、その許可も求めることをお勧めします。
まとめ
元付無断掲載のトラブルを防止し、エンドユーザーに正確な情報を提供していくためには、1週間に1度は、以下3点を確認されることをお勧めします。
(1)現在も空室であるかどうか (2)募集条件(賃料、一時金、契約条件等)に変更がないか (3)SUUMOに広告掲載してよいか |
また、確認を取る際には、物件をきちんと特定するとともに、いつ誰に確認したのかを記録しておくことをお勧めします。
客付業者は毎回きちんと掲載確認する。元付業者は許可する範囲を明確にして回答する。双方の努力がトラブルを防止し、物件の早期成約につながっていくのだと思います。
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