そうだったのか!不動産広告。

第2回 仲間と住むのは楽しいけれど…
    掲載できるの?シェアハウス

シェアハウスとは?

シェアハウス※とは、他人同士が一つの賃貸住宅を共同で借り、各居室を一人ひとりのプライベートスペースとする居住形態をいい、キッチン、バス、トイレ等は共用となります。SUUMOには、借主が「専用使用できる独立した個室」が確保されている形式のみ掲載することができます(図1)。
※不動産会社さまによっていろいろな呼び名があるようですが、このコーナーこではシェアハウスで統一します。

図1) 個室が確保されているのでSUUMOに掲載できるシェアハウスの一例
個室が確保されているのでSUUMOに掲載できる事例

相部屋形式のものはSUUMOに掲載できません!

ところが、中には一つの居室を複数人で利用するいわゆる「相部屋」形式のものもあります。図2では募集している部屋に、既に1人入居しています。その「ルームメイト(同居人)」を募集しています。こういう相部屋形式のものはSUUMOには掲載できません。

図2)一つの個室を共同で使用する相部屋タイプ。SUUMOに掲載できないシェアハウスの一例
個室が確保されていないためSUUMOに掲載できない事例

「二人入居可」とは別の話

なお、単身者向けの賃貸物件に「二人入居可」と表示することがありますが、これとシェアハウスとは別の話です。「二人入居可」とはひとつの賃貸物件に親族、友人、恋人などが2人で住むことを指しています。つまり「誰と同居するのか」を賃借人が決めることができます。
ところが、今回ご説明しているシェアハウスは、赤の他人同士が一つの住宅に住む賃貸形式です(図1の、洋室1~3には、親族・友人関係にはない、他人同士が住んでいます)。図2でも、各居室に二人ずつ入居していますが、これは赤の他人同士で、賃借人が同居人を選んでいるわけではありません。  

表記にも注意が必要

図1のように個室が確保されているタイプであっても、表記には注意が必要です。ポイントは次の3点です。

1 シェアハウスであることを明らかにする(バストイレ等が共同利用である旨を明らかにする)。
2 女性限定等、入居者が限定されるのであれば明記する。
3 間取り図、面積は専用使用できる部分のみを表示する。

 

通常の賃貸物件と異なり、一つの物件を複数で利用するわけですから、その旨、明らかにします。また、女性限定等の条件がある場合はそのことも明記します(図3)。

図3) その他備考欄への記載例
SUUMO入稿画面(イメージ)

間取り図も専用使用できる部分のみを表示します。個室が確保されているタイプであっても、DKやバス、トイレを単独で利用できるかのように誤認を与える間取り図を掲載することは認められません(図4/NG例)。間取り図も面積も、賃借人が専用使用できる部分のみを表示するのが、正しい表示です(図4/OK例)

図4)誤った間取り図表記と正しい表記例
SUUMO掲載時の誤った間取図表記と正しい表記例

不正確な表示はトラブルになる

SUUMOに掲載された物件にクレームが入ったこともあります。『賃料35,000円で掲載されていますが、一人で住むことができません。一人で借りる場合は賃料が58,000円になる、と言われました』というのです。SUUMOへの掲載は下表のとおりでした(図5)

図5) クレームが入ったSUUMO掲載広告の画面
SUUMOユーザー画面(イメージ)

クレームが入った物件について、資料を取り寄せてみました。

募集図面(イメージ)

総戸数5戸の賃貸物件です。この業者は103号室の広告を掲載していました。103号室の賃料は35,000円ですが「シェアプラン」とあります。また、状況欄も「空室」ですが、「女性限定」となっています。各室の入居状況も確認してみました。

募集図面空室状況図解

103号室には、既に女性が一人入居しており、そのルームメイト(同居人)募集の広告だったのです。このような物件はSUUMOには掲載できません。
 また、この物件には相部屋形式の「2人プラン」の他に、通常の賃貸形式(=一つの部屋を一つの賃貸契約で借りる)である「1人プラン」があります。『相部屋は嫌だ』といったユーザーに101号室の1人プラン(賃料58,000円)をご案内したため、クレームになったようです。

まとめ

繰り返しになりますが、SUUMOに掲載するためには「専用使用できる独立した個室」が確保されていることが条件になります。相部屋の「ルームメイト(同居人)を募集する広告」や、「(入居時には一人でも)後からルームメイトが入居してくる物件の広告」は、SUUMOには掲載できません。

シェアハウスは一つの住居を共同で借りるわけですから、一人で借りる場合と比べると賃料負担は小さくなります。賃料の安さだけを強調して、実は相部屋だったとなると、ユーザーの期待を大きく裏切ることになります。また、シェアハウス、シェアプランという用語の使い方が人によって異なることも混乱の原因となっているようです。名称はどうあれ、ユーザーに賃貸条件を正しく伝える必要があります

多様な賃貸形式が登場しエンドユーザーの選択が広まることは好ましいことですが、誤解を招く表示で、ユーザーの不信、不満を招いては広告する意味がありません。新しい居住形態であるシェアハウスについては、通常以上に、ユーザーにわかりやすい表示を心がけることが重要となります。

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