池本編集長の賃貸ゼミな~る

第1回 退去抑制に効果アリ!?
    水回り設備の充実度に着目!

更新を控えた人の45%は転居を検討している!

9月は半期末ということで1-3月ほどではないのですが、入退去の季節となります。
 今回は、退去抑制施策について、お話ししたいと思います。
 昨今は家賃の下落や初期費用の減少、退去後に決まりにくいなどの実情から賃貸経営は短期回転から長期入居重視に移行しています。
 2012年3月にリクルートでは、「1年以内に更新時期を迎えた」関東・関西・東海エリアの賃貸居住者を対象に退去に関するアンケートを実施しました。

まず見ていただきたいのは、実際に転居した人の割合(図1)
※各グラフはクリックすると別ウィンドウで拡大表示されます。

(図1)転居検討の実態

全体の約15%が転居されています。さらに検討はしたが転居しなかったという転居予備軍は約30%。予備軍の数値が高いことがわかります。また転居予備軍では、69.2%が転勤などの止むを得ない事情ではない「より良い物件、気分転換などの理由 」で転居を検討しています。やむを得ない理由でないものは、事前に施策を打つことで退去抑制ができるのではないか?このヒントを探るべく、アンケート結果を見ていきましょう。

退去抑制のヒントは「水回りの修繕」

転居の理由についてはどうでしょう(図2)?

(図2)転居の検討理由

転居予備軍までも含めた回答での1位は、「よりよい条件の物件があるように感じるから」ついで「家賃を抑えたいから」そして第3位に「結婚や転居を伴う就職・転職」となっています。また順位は低いですが「近隣トラブルがあった」「管理会社の対応に不満」など、管理会社側が留意しなければならない指摘もありました。

では「よりよい条件」と感じるものは何なのでしょうか?

まずは、転居先と転居前の住まいの満足度の差を調べてみると(図3)転居の前後での満足度に差があったのは「リノベーション」「メゾネット」「ルーフバルコニー付」など。このうちリノベーションは後からでも実施できる打ち手。コストはかかりますが一度実施すれば満足度が上がり、長期入居が狙えるのは魅力です。

(図3)転居前と後の満足度ポイントの差異

次に「実際転居した層」と「転居予備軍層」とで、前住居に対する満足度の差を見てみると、面白い傾向が見えてきました(図4)。

(図4)転居した人と踏みとどまった人の満足度差異

転居した層が前住居に不満を抱いていた(満足度が低かった)設備をみると「バス・トイレ別」 「室内洗濯機置き場」「独立洗面所」「温水洗浄便座」など、主に水まわり設備が多く 挙げられていたのです。言い換えれば、水回りの設備を強化すれば、退去抑制につながる ことが裏付けられるのです。

これらの対策として、たとえば比較的導入コストの低い「温水洗浄便座」の採用を検討するのも 価値があると思われます。また、リフォームの際には、水まわりの設備拡充・刷新に重点を 置き、退去抑制はもちろん長期入居につながる先行投資として掛けていくことが重要といえるのではないでしょうか。

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